「私、生きてます」 -処女航海で感じたこと-

こんにちは。

少し前になりますが、私が実際に管理している船に乗船した経験をご紹介します。
造船所から監督として立ち会った船で、処女航海という大変貴重な体験でした。

-簡単な船の詳細-
全長:120M
D/W:13000t
種類:ケミカルタンカー

処女航海は日本からフィリピン揚げ、その後、マレーシアで積荷を行い、中国へ向かう航路でした。

いざ出航!!

出航して最初に感動したのは、海から見る陸地です。
普段こちら側から見ることは決してないので、新鮮な景色の連続でした。
横を見ると、船の波に驚いたトビウオの群れが何百という数でついてきます。
こんな経験を出来るのは船乗りの特権ですね。
ちなみに、数日後、甲板に打ち上げられたトビウオが朝食に出てきたのにも驚きました(笑)
たくまし過ぎます。

外海に出るとそれからはずーーーーーーーーーっと地平線が続き、ときおり横を眺めるとイルカがついてくるというような毎日でした。

そして、ついに揚げ地に到着。

ここまでの7日間は今まで過ごしたどの7日間より長く感じました。
素人の私は、このままずっと地平線しか見られないかとノイローゼになりそうでした。(笑)

そんな中、船員さんは本当によく働きます。
外航では通常、1度の乗船で8ヶ月から10ヶ月の勤務期間…そのほとんどを船上で過ごすのですから、すごい精神力です。
恐れ入りました。
閉所や同じ環境で働くことが出来る人には船員は向いているかもしれません。

近年はWi-Fi環境が整っている船もありますが、殆どがネット社会とは遮断された世界です。
ネットに依存していた私はこの環境に慣れるまでに2週間ほど掛かりました。
トータルで30日間ほど乗船しましたが、最後の方でやっと時間の使い方にも余裕ができ、勤務時間外は読書をしたり、外国人クルーと雑談をしたり、楽しく船乗りLIFEを楽しむ事が出来ました。

船の運行管理の仕事をする直前に、彼らの現場での仕事や、人柄、想いに触れる事が出来たのは、これから仕事をする上で大変貴重な経験となりました。

そして下船。

揚げ地の中国の前にバンカー(給油)を行うこととなり、台湾での下船でした。
やっと海上を満喫出来るようになっていたので、少し寂しい気持ちもありましたが、つい2日前の時化を体験していたので、同時にほっとしていたのを覚えています。
その時化の様子が下記の動画です。

船長によると、これぐらいの天候は普通とのこと。
この頃になると、船酔いはしませんでしたが、単純に沈まないかを心配していました。(造船所の設計を疑っていた訳ではございません)
あの夜はローリング(船が左右に傾くこと)が続き、ベットの上を転げまわっていましたし、もちろん、船員素人の私に読書やPC作業は出来ませんでした。
ただただ時化が終わるのをひたすら祈りました。

そんな事もあり、台湾の地に足をつけた時には「生きてるな」と感じずにはいられませんでした。

この乗船で感じたこと

この乗船で感じたこと

今回海に出て感じた事は、

① 海でYou Tubeは見られない。

② 食料が不足すると、わけがわからない魚が出てくる

③ 地平線を見て、無心になりたい人には最適

④ 想像出来ないほどの揺れでも、船酔いしない人には楽園

⑤ 「生きている」と実感出来る

船員になると上記のような非日常的なことが味わえます。

今回の乗船経験を経て、改めて船員さんに感謝の気持ちを持つ事ができました。
本当にいつもありがとうございます!!
本日も安全な航海を願っています!!

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