「会社を辞めた後」の転職活動の進め方
一般的に社会には、転職は「会社を辞める前に次の内定をゲットしておくべき」という考え方が浸透しています。
しかし、人生にはハプニングがつきもの。
計画通りに行かず、内定をもらう前に会社を辞めざるを得ない状況になる人も少なくありません。
ここでは、そんな状況にある人に向けて、会社を辞めた後から始める転職活動の進め方についてご紹介します。
なぜ辞める前に内定をもらっておくべきなのか
そもそもなぜ、「会社を辞める前に転職活動を始めて、内定をもらっておくべき」という通念が浸透しているのでしょうか。
それは、先に会社を辞めてから転職活動をスタートすることには、いくつかのデメリット(リスク)があるためです。
そのリスクとは…
経済的なリスク
収入が途切れることで生活費への不安が高まる。
また、転職活動にかかる交通費や宿泊費などのお金が不足してしまう。
精神的なリスク
「失敗したら後がない」というプレッシャーから、精神的な負担が増えてしまう。
不採用が続くと転職活動へのモチベーションが下がり内定から遠のくリスク。
労働条件を妥協するリスク
「内定が早く欲しい」、「とにかく収入を確保しないと」、といった不安や焦りから、仕事内容や待遇面などの希望条件に妥協が生まれやすくなる。
結果的に、第一志望の企業を諦めてしまったり、以前の会社よりも労働条件が下がってしまうリスクがある。
この3つのリスクを避けるために、転職活動は今の会社で働きながら実行するべき、ということが言われているのです。
ただし、会社を辞めた後に転職活動をすることには、利点もいくつかあります。
- 転職活動に費やせる時間が多くある
- 面接日など、応募企業とのスケジュールを合わせやすい
- 応募企業に「御社で働きたい」という本気度をアピールできる
- 自分にプレッシャーをかけられる
すでに会社を辞めてしまっている人は、これらの利点を大いに生かして転職を成功に導きましょう。
会社を辞めた後の転職活動 4ステップ
では、会社を辞めた後の転職活動について、具体的な進め方を見ていきましょう。
ステップ1.キャリアの棚卸し
すぐに転職サイトに登録してどんどん応募するのはNGです。
まずは履歴書作成や面接対策のために、自身のスキルや経験を棚卸ししましょう。
この作業を怠ると、履歴書作成や面接の際に自分のアピールポイントの軸がつかめず、支離滅裂なアピールになってしまいます。
紙やパソコンのメモなどにまとめて書いておくと、いつでも確認できるので便利です。
ステップ2.転職サイトに登録
転職サイトは膨大な種類があるため、全てのサイトに登録するのは非効率的です。
名前の知られている大手転職サイトを利用しつつ、「特化型」のサイトも活用しましょう。
転職サイトの中には、「IT系特化型転職サイト」、「保育系特化型転職サイト」など1つもしくは数種類の業種を専門に扱うものがあるため、余計な情報を入れずに、効率的に活動を進められます。
ステップ3.応募・面接
応募の段階では、志望度をしっかりと分けておきましょう。
面接の日程が重なってしまった場合などに、優先して受ける企業を決めていることで、スムーズに対応できます。
また、履歴書作成・面接対策にかける時間も、優先度が高い企業と低い企業では異なります。
書類選考をクリアしたら、面接です。面接官から聞かれそうな質問はある程度想定して臨みましょう。ベーシックな質問内容は以下なので、参考にしてください。
- 自己紹介・PR
- その会社を志望した動機
- その会社にどう貢献できるか
- これまでのキャリアや資格について
- 逆質問(「何か質問はありますか?」など)
面接に臨む前は、友人や家族に協力してもらって面接のシュミレーションをしておくことをおすすめします。
その際、質問内容もオリジナルのものを出してもらうようにすると、本番で臨機応変に対応できる“構え”ができるでしょう。
ステップ4.内定・辞退
転職活動は内定を獲得した後も続きます。
「入社を決めるか」、「辞退するのか」の意思表示を数日〜1週間以内に伝える必要があります。
他の企業の選考も進んでいて、第一志望企業の結果待ちの場合は、最長1週間を目安に、意思表示を待ってもらうことも可能です。
いずれにしても辞退する際は、丁寧な口調で、しっかりと謝意の気持ちを伝えることがマナーです。
この4ステップを、転職活動の平均期間と言われる2〜3ヶ月で進めていければ理想的です。
ただしスケジュール通りに進まないからといって、焦ったり極端に落ち込んだりしないことが大事です。
モチベーションを落とさないよう、息抜きをしながら、自身のメンタルコントロールをすることも忘れないようにしましょう。
転職活動スタートにオススメの時期
まだ会社を辞めていない人で、辞めてから転職活動をするつもりの人もいるはずでしょう。
辞める時期は、4月と10月の2〜3ヶ月前がベターです。
4月・10月は多くの企業にとって区切りの時期であり、人材の入れ替わりが激しい時期でもあります。その2〜3ヶ月前から求人を出し、新しい人材を募集する企業が多いです。
分母(求人募集をする企業数)が大きい分、転職成功の確率がアップするため、先に辞めてから転職活動をしようと考えている人は、ぜひ参考にしてください。
ただし、「今いる企業でハラスメントが常態化していて精神的に潰れそう」といった状態の人は、今すぐにでも離職するべきです。
そんな人も、ここで紹介した4つのステップを参考にしながら、着実に転職活動を進めていきましょう。
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