保護猫カフェってどんなところ?【保護猫カフェきゃりこ】

本日は保護猫カフェ武蔵野店にインタビュアーの恵美(emi_florence819)がお邪魔してきました。
運営元は「きゃりこ」を運営する株式会社きゃりこ。
その代表であり、猫カフェ協会理事長の福井さんにお話をお伺いしました。

恵美
早速ですが、保護猫カフェはどのようなコンセプトのお店なんでしょうか?

福井
捨てられた猫や飼い主がいない外にいる猫、いわゆる野良猫の里親(新しい家族)を探すという事をコンセプトに運営しているお店です。

恵美
そうすると、福井さんがそういった猫を探して、連れてきているのでしょうか?

福井
当店は山梨にあるNPO団体と提携しており、そこから猫を預かっているという形になります。

恵美
なるほど。

福井
いまでも野良の子が中心ですが、最近では多頭飼い崩壊した家猫や、問題のあるペットショップ、ブリーダーからの保護されるケースもあります。

恵美
そうなんですね。
ところで、どうして保護猫カフェを始めようと思ったのでしょうか?

福井
元々は10数年前から猫カフェを運営しておりまして、3年前から猫への恩返しではないですが、猫の為に何か出来る事はないかと考え保護猫カフェ事業をスタートさせました。

恵美
そういった経緯があったんですね。
他の店舗も運営されていますが、あちらはどのような猫たちが多いのでしょうか?

福井
他2店舗は保護猫カフェではなく、通常の猫カフェなので、ほぼ純血種で構成されています。

恵美
それぞれ違うコンセプトがあるんですね。
そんな保護猫カフェの大変さはどういったところでしょうか?

福井
そうですね。
保護されてきた状態というのが、各猫で違うところですね。
例えば、人に慣れていない子もいたり、人への不信感を持った子も多く引き受けています。
そういった時には、ある程度の期間、自分の家で一緒に住むところから始め、徐々にお店に移っていくというケースもあります。
こういったケースですと、時間を掛けて慣れていってもらうことが重要かなと考えています。
店内にも慣らし部屋を設置しており、そこで慣れる子もいますが、中には1年間掛けて慣れていく子もいます。
そうですね。
保護されてきた状態というのが、各猫で違うところですね。
一番多いケースが、人に慣れていない子、人への不信感を持った子の場合ですね。
その場合は、時間を掛けて慣れていってもらうことが重要かなと考えています。
一時的に自宅に連れて帰る時もあります。
今回、店内には慣らし部屋(お客様から見えるけど触れないガラス越しの部屋)がありますが、人への不信感を取るのに数ヶ月、長いと1年掛る事もあります。

恵美
1年ですか!?やはり猫にも個人差があるんですね。

福井

ありますね。
逆に数日で慣れる子もいて、人に構ってほしくて仕方のない子も多いですね。

恵美
やはり猫も寂しいですよね。

福井
そういった事もあり、どちらかというと、通常の猫カフェ店舗より、こちらの店舗の方が膝の上に乗ったりする子が多いですね。

恵美
そうなんですね。
やっぱり、みんな甘えたいですね。

福井
後はここの店舗は子供の入店も可能なので、触って欲しい猫にとっても、触りたいお子様にとっても、スキンシップがとれるお勧めの場所です。

恵美
この機会に色々な方に知っていただけると素敵ですね。
保護猫カフェの最終的な目的としては、やはり譲渡ということでしょうか?

福井
そうですね。
新しい家族と出会うことを目的としています。
ただ、譲渡というと、一般的にはボランティア団体さんの大規模な譲渡会があり、その場所に何十頭という猫が集まって、多くの譲渡が成立しますが、そういった数は保護カフェでは成立しづらく、どちらかというと、時間をかけてマッチングさせる事に注力を注いでいます。

恵美
先ほどNPO団体の話がでましたが、保護される猫は多いのでしょうか?

福井

社会問題にもなっていますが、現在ではどの団体も受け入れられないほどの数になっています。
社会問題になっている殺処分の問題で、それを減らす為の受け入れ先が、保護団体となっている為、どの団体でも受け入れきれないほどの数になっていると聞きます。

恵美
そうですよね。
保護できるスペースの問題や、人員の問題もありそうですね。
そんな中、こんな東京の吉祥寺駅前にこんな里親カフェがあるなんて、すごい試みです!

福井
駅にも近いので、メリットとして、何度でも足を運びやすく、じっくりとお気に入りの子と触れ合うことが出来ると環境を作っています。

恵美
最終的に譲渡のジャッジをするのは福井さんなのでしょうか?

福井
ジャッジはスタッフに一任しています。
何度も通って下さっているお客様が分かるのは、やはり近くで見ているスタッフなので、安心して、任せられています。
もちろん、私とスタッフで協議する事も多々あります。
譲渡する際は、必ずその子に幸せになってもらいたいので、時には厳しい判断をすることもあります。
例えば、外出や、出張が多い仕事の方ですと、子猫は譲渡できない等の決まりも設けています。
最終ジャッジは、NPO団体になります。
その前に当店のスタッフが希望者と面談をして、条件面(ペット可のお住まいかどうか、お留守番の時間はどの程度になるのかどうかなど)以外の部分、その方の人柄や猫への愛情面などをNPO団体へ伝えさせて頂いております。

恵美
なるほど。
ところで、年齢はいくつぐらいの子が多いのでしょうか。

福井
それがはっきりとは分からないんですよね。

恵美
あっそうですよね。
保護された子たちですから、年齢不詳ということですね。

福井
確実な年齢はわかりませんが、平均年齢は2歳~3歳程です。
その点はこの店に来る前に、獣医さんのところでワクチン接種の際などに聞きます。
しかし、子猫の場合は分かるのですが、成猫の場合はあくまで推定年齢になってしまい正確な年齢は分かりません。
もちろんお店に在籍後も、1年に1度のワクチン接種は行いますが、その前に新しい家族の元に行って欲しいですね。

恵美
それは安心安全のお店ですね。

福井
元々が普通の猫カフェなので、保護猫カフェでは珍しく、シャンプーを行ったり、爪を切ったりと、清潔への取り組みも行っています。猫のケアについては自信があります。

恵美
確かにみんな綺麗で、ふさふさしています。
元々野良猫とは到底思えないような容姿ですね。
そんな保護猫カフェ武蔵野店の目標は?

福井
猫カフェと比べると、保護猫カフェの人気がないので、そこの改善やお客様への認知を広げていきたいと考えています。
後は、年間100頭の譲渡を出来るような仕組みを作っていきたいと考えています。
今年リニューアル改装を行ったばかりですので、和モダンを感じられる店内を一度見に来ていただければ嬉しいです。

恵美
新しいお客様にも認知されて、譲渡の数が増えていくのが理想だと思いますが、
どの様な方に貰ってほしいと考えていますか?

福井
一番は最後まで責任を持っていただける人です。
こういった店舗を運営していると、事情があって猫をもらっていただけませんか?という問い合わせもあったりするので、家族になったからには最後まで面倒を見て欲しいですね。
生き物なので、いい事ばかりではないと思いますが、その分楽しい事も増えると思います。

恵美
これからのお客様へのメッセージはありますか?

福井
保護猫カフェというと、どうしても猫を貰いに来る人がくるお店と思われがちですが、普通の猫カフェのように来ていただけると嬉しいですね。
来てくださったお客様の入店料が、保護猫たちの支援に繋がっていくので、そういった認知をしていただいていくことも私たちの責任かなと感じています。

恵美
そうですよね。
ここからは保護猫カフェで働くことについてお聞き出来ればと思っていますが、
猫カフェで働くということは、どのような業務内容になるのでしょうか?

福井
一番は接客業ですね。
猫たちの説明や、意外と裏方等の雑務が多いです。
排泄物などの処理や、ブラッシング、バックヤードの消毒処理等が嫌でない方じゃないと出来ないですね。
その分、力仕事はないのですが…

恵美
働く上で、必須スキルはありますか?

福井
特別なスキルは必要ありません。猫を飼った事のないという方でも問題ありません。
もちろん猫が好きということは前提です。

恵美
なるほど。
お仕事をする上でマッチする性格はありますか?

福井
うちのお店の雰囲気としては、穏やかな人が合うかもしれませんが、
裏の作業はキビキビしないと、時間内に終わらせられないかもしれません。
後は、生き物のお世話をするという責任感が持てる人ですね。

恵美
そうですよね。
好きだけでは務まらない責任ある仕事ですよね。
ちなみになぜ「きゃりこ」という店舗名にしたのでしょうか?

福井
「きゃりこ」は英語でCalico cat = 三毛猫 からネーミングしました。
私が最初に飼った猫がミケ猫だったのが由来になっています。

恵美
最初の子を店名にした思い入れのある場所になっているんですね。
次の質問で最後となりますが、現在3店舗運営している「きゃりこ」とはどんなお店なのでしょうか?

福井
いつでも猫に優しいお店を目指しており、誰でも気軽に入れ、触れ合える場所をコンセプトに運営しています。
まだお店に足を運んだ事のない方は、是非、一度この子達を見にきていただけると嬉しいですね。

恵美
そのコンセプトがスタッフさんや店内の雰囲気で十分に感じられます。
本日は大変貴重なお時間ありがとうございました。

保護猫カフェ きゃりこ

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