内定後に絶対に確認するべき労働条件!5つのポイント

企業と労働者は雇用契約書を結ぶことによって、はじめて労使の関係になります。
ただ、契約書を結ぶ前に、企業には「労働条件通知書」を、内定を出した人に通知しなければなりません。
このステップを知らずに、内定後すぐ雇用契約を結んでしまう人は少なくありません。
ここでは、その労働条件通知書で最低限確認するべき項目や条件交渉の方法などについて、解説します。

転職は「内定」がゴールじゃない

企業から内定の通知が来ると、これまでの不安や焦りから解放されて、すぐに雇用契約を結びたくなる人がほとんどでしょう。
しかし、転職活動は内定をもらった後も続いています。
本当の意味での転職成功は、実際に働いてから判断できるものです。
入社後の「こんなはずじゃなかった…」という後悔を生まないためには、内定通知を受けた後にも気を抜かず、労働条件通知書をしっかりと確認することが必要です。
ちなみに、労働条件通知書の通知は、労働基準法第15条1項により明確に義務づけられています。

参考:「厚労省」https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/faq_kijyunhou_4.html

通知書を確認できていない場合は、担当者にしっかりとお願いをして提示してもらうようにしましょう。

労働条件で最低限確認するべきポイント 5つ

労働条件で特に確認しておくべき点は以下の5つです。

1.給料

額が求人情報で確認したものと同じかどうか、インセンティブを除いた基本給はいくらか、月給制か年俸制か、など自分の希望を踏まえてしっかりと確認しておきましょう。
また賞与(ボーナス)の確認も重要です。
「条件に応じて支給」などと書かれている場合は、その条件について事前に確認しておくようにしましょう。

2.労働時間(残業)

残業がまったくない企業はほとんどないため、「有り」と書かれている場合が多いです。
ただし、基本的に、具体的な残業時間は労働条件通知書には記載されていません。
残業時間が気になる人は、面接の場で先に「想定残業時間はどの程度でしょうか?」と確認しておきましょう。
注意点としては、あまり深く追求しすぎないことです。
残業したくない=積極的に働きたくない、と捉える担当者・経営者もいるため、マイナスの印象を与えてしまいかねません。

3.転勤の有無

転勤の可能性が数年に一度ある場合、面接の段階で採用担当者からその確認がされるはずです。
確認がなかったにも関わらず「有り」となっていた場合は、担当者に直接問い合わせてみましょう。
地元での就業を考えている人や、しばらく実家から通勤したいと希望している人は、転勤の有無は特に確認すべき項目です。

4.社会保険の有無

健康保険や年金をなどの各種社会保険を、自分だけで払うのと会社負担有りで払うのとでは、労働者にかかる負担が大きく異なります。
健康保険と厚生年金への加入条件が付いているかどうかは確認必須事項です。
新興のベンチャー企業やスタートアップでは、社会保険の知識が浅い採用担当者・経営者も少なくないため、こうした企業に応募した人は、特にしっかりチェックしておきましょう。

5.入社日

まだ今の会社を辞めていない人は、記載の入社日が、自身の退職予定日よりも前になっていないかを確認しておきましょう。
どうしても入社日までに退職できない状態にある人は、可能な限り早く、担当者にその旨を伝えてスケジュールを調整してもらう必要があります。
また、今の会社を円満に退職するためにも、内定と転職の意志が決まった時点で上司に退職の意志を伝えましょう。その上で転職先企業の担当者と入社日の調整をすることで、スムーズに話が進むはずです。

確認しないことで起こるリスク

「面倒だから」という理由で労働条件通知書を確認しないことは、入社後の後悔を生む大きな原因となります。
特に上記3つの条件で、自分の希望とのギャップがあると仕事だけでなくプライベートまで大きな悪影響を及ぼします。

例えば、給与の半分以上はインセンティブが占めている条件を知らずに契約してしまった場合などです。
思っていたよりも収入が少なく家賃・生活費の支払いが追いつかない、など悲惨なケースが起こりかねません。
また残業・休日の条件が酷い場合は、早期退職せざるを得なくなったり、精神的に追い込まれてうつ病などの精神疾患にかかってしまったりしかねません。
入社後のミスマッチやリスクを回避するためにも、労働条件通知書をチェックしてから契約書にサインすることは、とても重要なのです。

条件に満足できない場合は交渉できる?

よほど法外であったり、突飛な条件でない限り、こちらから条件を変更するようなお願いは難しいと考えておきましょう。
「残業はしない条件でお願いしたいのですが」などと無理な交渉をしようとすると、内定そのものを取り消しされるリスクもあります。
ただ、「これだけは絶対に譲れない労働条件がある!」という人もいるはずでしょう。
そんな人は、そもそも求人情報から応募する段階や、面接での担当者への質問の場などを利用して、事前に確認しておくことをおすすめします。

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