「退職代行サービスを使って転職」は採用で不利になる?
近年、「退職代行サービス」がテレビやネットニュースを賑わせています。
徐々にその存在が知られてきていることから、退職代行サービスを利用して転職(再就職)を考えている人も増えてきているようです。
ただ、「退職代行サービスを使うと次の採用で不利にならないの?」という不安も同時に湧いてくるのではないでしょうか。
ここでは、退職代行サービスのメリット・デメリットを見ながら、「転職で不利になるのか?」についてご説明します。
退職代行サービスとは?
そもそも退職代行サービスとは、どんなサービスなのでしょうか。
退職代行サービスは、2017年ごろから世間に知られ始めた「退職を希望する労働者と企業との仲介役となり、本人に代わって会社に退職の意向を伝えるサービスのこと」です。
サービスの運営会社は複数あり、中には、連絡した当日から対応可能な体制をとっているところもあります。
つまり、当日に「退職代行をお願いします」と連絡をすれば、その日中に会社に退職の意向を連絡してくれるのです。
「退職は自分で直接伝えるべきだ」、「倫理的に間違っている」といった批判がある中、利用のメリットにも注目されているのも事実です。
また、今までになかった新しいサービスとしてもテレビやインターネットを騒がせています。
退職代行サービスのメリット
精神的ストレスなく退職を伝えられる
自分で退職の意向を伝える必要がないので、それにかかるストレスがありません。特に、以下のような人には助かるサービスでしょう。
- ハラスメントや長時間労働が常態化しているブラック企業に勤めている
- 上司からの強引な慰留願いで辞められない
- 自分で伝えられないくらい精神的に疲弊している
ちなみに退職代行サービスへの連絡も、多くの場合メールやLINEだけで完結させることができます。
転職をサポートしてくれる
すべてのサービスが提供してはいませんが、退職後の転職サポート体制を整えている点もメリットです。
たとえば、退職代行サービス・EXIT株式会社では、以下のようなサービスが紹介されています。
未経験からのキャリアチェンジに強く、転職決定人数No.1 を誇る総合転職エージェントと提携しております。EXIT 指定の総合転職エージェントにご登録いただき、転職が決定した場合、代行費用を全額キャッシュバック(条件あり)いたします!書類作成のアドバイス、面接対策を含め、費用は無料です。
EXIT株式会社・ホームページ https://www.taishokudaikou.com
退職後すぐに自分にマッチした企業と巡り会える可能性があることは、退職者にとって大きな安心要素の1つでしょう。
退職代行サービスのデメリット
退職にお金がかかる
自分で退職するのは無料です。
しかし退職代行サービスの利用には当然、費用がかかります。
どのサービスを利用するかによりますが、約5万円が一度にかかる費用の相場と言えます
ただし、これは一般的な正社員の場合です。
アルバイト、パート、契約社員といった「雇用形態」や「勤続年数の長さ」などによって、費用が変わるサービスが多いようです。
同業界の企業に知られる可能性がある
同じ業界や取引先と親しい企業への転職を希望する人にとって、退職代行を利用して辞めたことを知られる可能性がある点は、デメリットと言えます。
本来、会社には守秘義務があるので個人が辞めた理由を外部に漏らすことは厳禁ですが、つい誰かが漏らしてしまう可能性は否定できません。
もし退職理由を外部に漏らされてしまい自分に不利益が生じた場合は、刑法の名誉毀損罪に相当するケースもあります。
「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する」
(刑法230条1項)
ただ、どんな会社でも上記の刑法をはじめとして、秘密を漏らすことのリスクを理解しているはずです。退職代行サービスを利用するにあたって、外部に漏れることを過度に心配する必要はないでしょう。
転職で不利になるのか?結論
メリット・デメリットを踏まえて、今回のメインテーマである「退職代行サービスを使うと次の採用(転職)で不利にならないのか?」の結論を考えてみましょう。
結論は、「不利にはならない」です。
なぜなら、たとえ次の転職先の企業に退職代行サービスの利用を良く思わない採用担当者・経営者がいたとしても、そもそもその人たちにサービスを利用したことを知られる可能性はほとんどないからです。
また、採用担当者は退職理由には興味がありますが、退職方法については関心がないケースが多いです。
「退職代行サービスを使って辞めました」と、あえて自分から言わない限り、退職方法について尋ねられることはないでしょう。
ただし、デメリットで触れたように、同業界の企業や取引先の企業に知られてしまっている場合もあります。サービスの利用を考えている人は、このリスクがあることはしっかりと頭に入れておきましょう。
退職代行サービスは計画的に活用しよう!
「即日退職できる」という利便性に魅力を感じて、後先考えずに退職する人が中にはいるのが事実です。
「ブラック企業に勤務していて精神的に壊れそう」、「上司から強引に引き止められている」といった特別な事情でない限り、“見切り発車”はおすすめできません。
会社を辞めてから転職活動をスタートさせることには、生活費が底をついたり転職活動へのモチベーションが下がったりするリスクがあるためです。
退職代行サービスを利用する人は、退職前から、次に働きたい企業(応募する企業)や自身のキャリアを明確にしておくことが重要です。
可能であれば、内定の通知をもらってから退職するべきです。
計画的に活用して、ぜひ希望ある転職を成功させてください。
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