船籍を牽引するキーパーソンをご紹介!(マーシャルアイランド海事局)

本日はマーシャルアイランド海事局日本局長の岡本さんにインタビュアーの仲野(@kazurise)がお邪魔してきました。

仲野
本日はよろしくお願いいたします。

岡本
よろしくお願いします。

仲野
本日は船籍(フラッグ)やそこで働く人にスポットをあてたインタビューとなります。
まずは、岡本さんのこれまでの経歴を教えて下さい。

岡本
私は造船で働くことを目指し、広島大学工学船舶工学科へ入学し、卒業後は、造船技師として漁船をつくる三保造船所に就職し、設計部署に約10年勤めました。
その後、オイルショック等で会社の経営が厳しいと判断し、教員免許を活かした教育業界に転職しようと決意しました。

仲野
教育業界ですか!?造船業界とはまったく違いますね!
ちなみにどのようなお仕事だったのでしょうか?

岡本
転職先は公文式の先生を育成する講師の仕事でした。
ところが、内定も無事に出て、会社に辞表を出した矢先、父が他界。
生前、父は私に造船業界で働き続けることを強く望んでおり、その事がどうしても頭から離れず、私は造船所に「やめる事を辞めさせて下さい!」と辞表の取消しを申請しました。
幸いにも、経営者と親しい関係であった為、その後も三保造船所で働くことが出来、ほっとしたのを覚えています。

仲野
お父様がきっかけで今でも海運業界で活躍されており、その時の判断は正しかったのではないでしょうか。
なにかそういった縁のようなものを感じますね。
その後はどういった会社へ転職されたのでしょうか?

岡本
三保造船所ではロイド船級の船を多く造っていて、丁度大学の先輩がロイドの検査員として働いており、その先輩に誘われ、ロイド船級に転職しようと決意しました。

仲野
なるほど。
ところで、船級とはどのようなお仕事をする組織なのでしょうか?

岡本
船舶等に関連する設備の環境を維持し、航海の安全に力を注いでいる組織で、検査員等で構成される非政府組織です。

仲野
まったく知らない世界でした。
陰で船の航海を支えている組織ということですね。

岡本
その通りです。

仲野
そのロイド船級を経て、今のマーシャル船級に転身されたのでしょうか?

岡本
ロイド船級の後は、パナマ船籍の検査を行うマリンビューローの代表を務め、現在のマーシャルアイランド海事局日本代表に就任しました。
マーシャルアイランド海事局を選んだのは当時こそ世界的シェアは少なかったものの、一番勢いがあり、可能性を秘め、真摯に活動を行っている船籍であることが決め手で、この船籍で日本海運界の為に!という意気込みで望みました。

仲野
3つの船籍組織に関わり、行動力が素晴らしいですね。
現在のマーシャルアイランド海事局ではどのような事をやってこられ、変化してきたのでしょうか?

岡本
この船籍でやり遂げられたこととして、パナマ船籍の独占市場を覆したことが一番大きなことでした。
それまでは、船籍と言えばパナマ船籍一色のようなものだったので。
そんな名もない船籍を、色々な協力者と一緒に一から育てられたことが、現在の海運業界に貢献できているのではないかと実感しています。
そして、本当に皆さんのお蔭でここまでやってくることが出来ました。

仲野
一から何かをつくる事はすごく大変だと思います。
そんな偉業を成し遂げた岡本さんは、常日頃からお忙しいと思いますが、
休日はどのようにお過ごしなのでしょうか?
話が飛んでしまいますが、ちょっと気になったのでお聞かせください。

岡本
音楽を聴くことが何よりの楽しみです。

仲野
どんな音楽を聴かれるのですか?

岡本
やはりクラッシックです。
今は大磯に住んでいますが、海と山がある街で、そんな自然豊かな環境で音楽を聴くのが最高です。

仲野
海と音楽…
最高のシチュエーションですね!
そんなON/OFF出来る環境が岡本さんの力の源になっているんですね。
住んでいる環境と、岡本さんの大らかな印象がマッチし、納得しました。
話を聞いているだけでもスケールの大きい海運業界ですが、この業界で学べることは何ですか?

岡本
なんといっても海運業界は日本の輸出入の約99.6%を支えている業界。
ということは、船が動かなければ、日本は成り立たない状況なんです。
日本の土台を支えている業界であることは間違いない!
そんな業界だからこそ、広い視野で内側からの日本、外側からの日本を考えられる業界だと思っています。

仲野
私たちが普段何気なく触れているものは、ほとんどが海外製品で、その多くが船によって運ばれてきているんですね。
そんな海運業界の中でのマーシャルアイランド海事局の魅力とは?

岡本
元々は1948年にアメリカで設立され、リベリア船籍の登記を行う会社で、その後マーシャル船籍を扱うようになり、会社の歴史からも、我々の魅力はずばりチャレンジ精神を持ち、行動していることです。
一例としては、女性事務スタッフ全てにサイン権を持たせ、責任をもって、自身の裁量で仕事を行ってもらっています。
そういったチャレンジ精神が私たちの魅力ではないでしょうか。

仲野
女性観点からしても素晴らしい取組だと思います。
こんな魅力ある会社で働くには、やはり必須スキル等があるのでしょうか?

岡本
やはり英語です。
私より下手はダメ!(笑)
それは冗談として、やはり世界中で船が走っていて、それに対し色々な問題が発生する。
そんな対処や日々のやり取りがすべて英語なので、英語が必須スキルと言えます。
世界にある28か所の事務所とのやり取りも、もちろん英語です。
後は先ほども話したように、一人一人にサイン権がある為、指示を待つというよりは、自身で考え判断できる人が理想です。

仲野
なるほど。
英語が出来、仕事に責任感を持てる人にはぴったりのお仕事だと思います。
時間が経つのも早いもので、最後の質問になりますが、今後マーシャルアイランド海事局へ転職を考える人へ一言お願いします。

岡本
やっぱり、入社して「一緒に働いてよかった!」と言ってもらいたい。
採用の際にはいつも言っていますが、私に好きなだけ質問して、会社の中も自由に見ていってくれと伝えています。
お互いが納得の上で、一緒に働きたいと思っていただけたら、双方にとって幸せですよね。
一人一人が別々の仕事を持って、一人一人が責任者なので、私が上司になるわけではない。
そんな環境だからこそ、お互いが尊重しあって仕事が出来ているのではないでしょうか。

仲野
お互いに敬意を払って働ける環境が素晴らしいと思います。
お時間になってしまいましたが、本日はお忙しい中、大変貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。

マーシャルアイランド海事局 日本支店

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