転職を会社に伝えるベストなタイミングは?間違えると3つのリスクが…

転職する時期は人によって様々です。求人数が増える、年度末の1月〜3月や7月〜8月に実行する人が多いですが、たまたまマッチした求人に巡り合って1週間で退職から転職を決めてしまう人もいます。ただ、いずれの場合でも重要なのが、転職を会社に伝えるタイミングです。ここでは、転職を考えている人やこれから転職を会社に伝えようとしている人に向けて、ベストなタイミングとそれを逃すリスクについてご紹介します。

◆転職を伝えるベストなタイミングとは?

会社を辞める話になると必ずと言っていいほど出てくるのが、「辞める3ヶ月前に会社に伝えなければならない」というルールです。確かに、多くの会社の就業規則には「1ヶ月〜3ヶ月前までに申し入れなければならない」と記載されています。ただし、これば絶対に守らなければならない規則ではありません。

民法627条では、退職について、以下のように定められています。

“当事者が雇用の期間を定めなかった時は、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。”

つまり2週間前までに伝えれば、退職が可能ということです。法律は就業規則よりも優先されるため、規則を守らなかったからと言って、罰せられたり訴えられたりすることはありません。

さて、この法律を知って、「ウチの規則は3ヶ月だけど、面倒だから2週間前でいいや」と軽く考えてしまった人はいないでしょうか。法律上問題ないと言っても、不適切なタイミングで転職(退職)を伝えることには、いくつかの深刻なリスクがあることを知っておく必要があります。

◆タイミングを間違えるリスク 3つ

1.引き継ぎが中途半端になる

伝えるタイミングが遅すぎると、引き継ぎが追いつかず職場全体に迷惑がかかります。1〜3ヶ月という規則は、引き継ぎ担当者への伝達、引き継ぎで生じたトラブルへの対処、取引先との関係を良好に保つ、保険・年金などの事務的手続き、といった業務をスムーズに行うために必要な期間でもあるのです。「辞めるから関係ない」という考えは、避けるべきです。下手をすると、転職先の企業にもその評判が伝わってしまい、悪い印象を与えてしまうことになります。

2.円満退職ができない

円満退職ができれば、次の仕事に対するモチベーションも上がるはずです。送迎会などで、「次でも頑張れよ!」などとお世話になった上司や先輩に激励される喜びは、何にも代えがたいものです。自身の退職を苦い思い出として残さないためにも、適切なタイミングを守って会社に伝えるようにしましょう。

3.「出戻り」ができない

近年、転職する人が増加している現状とともに、「出戻り転職」をする人も増加しています。出戻り転職とは、一度は別の会社に転職したものの何らかの理由で元の企業に再入社することです。転職先がブラック企業だったり入社前とのギャップを強く感じたりした場合に、出戻り転職をする人が多いようです。

ただし、自分勝手なタイミングで転職(退職)を伝え、会社に迷惑をかけたまま関係を絶ってしまえば、当然出戻りはできません。転職に失敗した時のために、前の会社に戻りやすい環境を作っておくことで保険替わりになります。

◆伝える前に知られないようにするポイント

転職(退職)することは、自分で伝えるまで社内に知られない方がベターです。先に知られてしまうと、職場が「あの人どうせ辞めるんでしょ」、「相談なしで勝手に辞めるなんて」といったマイナスな雰囲気になるリスクもあり、自分の業務やモチベーションに支障がでかねません。

最低限、以下の2つを押さえておけば、自分で伝えるまでバレずに済みます。

◇会社で転職活動をしない

便利だからと言って、会社のPCを使って求人を探したりアドレスを転職サイトに登録したりするのはNGです。ふと後ろから覗かれたり、履歴を見られたりした場合、転職活動をしていることがバレてしまいます。

また転職エージェントに登録する場合、エージェントからの電話を社内で受けるのも極力避けましょう。上司や同僚がどこで聞いているかわかりません。エージェントには、連絡して欲しい時間帯を事前に伝えておくのがベターです。

◇SNSで投稿しない

SNSは不特定多数の誰もが見ることができます。同じ会社の人が、あなたのアカウントを知らないとは限らないため、伝える前に「やった!転職先が決まった!」などと不用意な発言をすることは極力避けましょう。特に、お酒を飲んでいるときは気が緩みがちなので注意です。

どうしても投稿したいのであれば、以下のポイントを守るようにしましょう。

・アイコンを自分の写真以外にする

・プロフィールなどに会社名を記載しない

・投稿の閲覧範囲を「友人のみ」などに限定する

この2つを「面倒だな」と感じる人もいるかもしれませんが、円満退職を実現するためには大切な配慮なのでぜひ参考にしてください。

◆さいごに

転職(退職)を伝える際は、「まず直属の上司に報告する」、「悪口や不満を転職理由にしない」、「感謝の気持ちを伝える」を忘れないようにしましょう。この3つとここまで紹介したタイミングやポイントを守れば、あなたの転職活動は“有終の美”で終わりを迎えられるはずです。

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